2017年2月11日土曜日

吉原落語会イベント『廓話のたのしみ』4月2日(日)

カストリ書房では4月2日(日)、吉原最後の料亭「金村」にて春風亭正太郎さんをお招きして、「廓話」をたのしむ落語会を開催致します。

廓話のたのしみ

 遊廓跡の多くは下町にあります。下町の芸能と言えば、落語。遊廓と落語ほど筋が通った組み合わせはありません。
 落語ファンの間では知られる通り、古典落語の演目のなかには「廓噺(くるわばなし)」と呼ばれる遊廓ネタがあります。ざっと数えただけで30以上。廓噺を聞くことで、私たちは落語と遊廓ののっぴきならない関係性に気づくことができます。
 江戸の昔、東京には100も200も寄席があったといわれます。客のほとんどが男衆でした。そのせいでしょうか。男の桃源郷、吉原にも寄席があったというのです。
 日本有数の廓でどんな高座がみられたのか、興味は尽きません。卑猥な艶笑噺がてんこ盛りだったのか、それともパチンコ屋の軍艦マーチのように景気のいい話がじゃんじゃん語られたのか。想像は高まります。場所が場所だけに、市中の寄席と少々ちがう演目が上演されたのではないでしょうか。
 おっと、この時代の吉原には女衆もやって来たのだそうです。堅気の女性は普段は立ち入れませんでしたが、7月の玉菊灯籠、11月の酉(とり)の市のときは入ることが出来たとのこと。お目当ては斬新な着物や化粧、そして独特の賑わい。物見遊山で艶やかなものを愛でたという訳です。
 その独特な様式美としっとりした風情から、しばしば遊郭は隠花植物にたとえられます。そこで花ひらいたのは、哀しみを伴った美しさです。
 なかには憐れみを押しつける輩もいます。しかし人間のダメなところ、格好悪いところをカラッと描く落語は、変に憐れみを誘ったりはしません。難しい理屈ではないのです。
 しょうもない若旦那や長屋の遊び人が失敗しながらも、逞しく生きていく。花魁も駆け引きやしたたかさを駆使しながら、どっこい生きていく。生きてりゃ御の字。
 映画やテレビの吉原と、ひと味もふた味もちがう、落語のなかの吉原。
 こんなことを考えながら、日本一の遊廓跡で落語会をひらくことにしました。遊廓跡に心惹かれる皆様に、吉原最後の料亭「金村」で廓の噺を聞いていただきたいと思います。(文:檀原照和)

出演者

春風亭 正太郎



演目紹介

『明烏(あけがらす)』
 あまりも堅物な若旦那。親が心配して少しは世間を教えようと廓へ送り込むが…。

『紺屋高尾』
 廓一の花魁、高尾太夫を一目見た職人が恋煩い。3年掛けて貯金をして、やっとの思いで登楼する。

日時

2017年4月2日(日)
 午後の部(『明烏』、ほか一席):13:00 開場
 夕方の部(『紺屋高尾』、ほか一席):16:00 開場
(※各部定員40名・各部入れ替え制)

場所

・料亭 金村(東京都台東区千束4-16-7)

木戸銭(参加費)

2,500円(税込・前払い)
※チケットの発行は致しません。当日お名前を伺い、入場完了となります。

チケットの購入はコチラから
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企画

檀原照和

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